エモーションフリーを受ける前の準備|うまく話せなくても大丈夫?

セッションを予約したものの、前日になると別の不安が出てくることがあります。

「何から話せばいいんだろう」

「原因を説明できないと受けられない?」

「ちゃんと感情を感じないと、意味がないのかな」

結論から言えば、きれいに整理して話す必要はありません。前向きな気持ちを作る必要もない。疑っていても、緊張していても、そのままで構いません。

ただ、準備しておくとセッションの入口を見つけやすくなるものはあります。大げさな心構えではなく、最近の一場面と、そこで起きた反応です。

大きな悩みより、最近の一場面をひとつ

「人間関係を何とかしたい」「自信を持ちたい」「過去を手放したい」

もちろん、それが相談のきっかけでも大丈夫です。ただ、そのままでは範囲が広すぎます。

たとえば、人間関係なら「昨日、上司から短い返信が来たときに胸が詰まった」。自信の問題なら「会議で発言しようとした瞬間、喉が固くなって黙った」。過去のことなら「似た声を聞いたとき、急にその場面を思い出した」。

こんなふうに、誰と、いつ、何が起きたかがわかる場面をひとつ選びます。

なぜ一場面なのか?

エモーションフリーでは、悩みの立派な説明より、その瞬間に何へ反応したかを見たいからです。広い問題を全部持ってくるより、一場面の方が変化を確かめやすくなります。

目次

メモは4行で十分です

長い相談文を書かなくても、次の4つがあれば始められます。

  1. 何が起きたか
  2. そのとき何を思ったか
  3. 感情やからだに何が出たか
  4. 本当はどうしたかったか

例を挙げます。

  • 依頼を断れず、また「大丈夫です」と返した
  • 断ったら嫌われると思った
  • 胸が重くなり、返事を急ぎたくなった
  • 本当は翌日まで考えたかった

これで十分です。原因を当てる作文ではありません。まず事実と反応を分けます。

つらさは0から10で仮の数字をつける

その場面を軽く思い浮かべたときのつらさを、0から10で表してみてください。

0は特に反応がない状態。10は、いま扱うにはかなり強い状態です。

数字は正確でなくて構いません。「たぶん6くらい」で十分です。これは良し悪しを判定する点数ではなく、セッション前後で同じ場面を見たときの違いを比べる目盛りです。

数字にできないなら、「近く感じる」「映像がはっきりしている」「胸が詰まる」のような言葉でも構いません。からだの感覚がわからない人は、浮かぶ映像、声、考え、数字など、わかるものを使います。

話したくないことは、無理に話さなくていい

セッションだから全部を告白しなければならない。そんな決まりはありません。

言いたくない内容があるなら、「詳しくは話したくありません」と先に伝えてください。固有名詞や細部を伏せたまま扱える場合もあります。

ただし、黙って我慢するのとは違います。途中でつらさが強くなった、質問に答えたくない、今日はここまでにしたい。そう感じたら、そのこと自体を伝えてください。

体調・通院・服薬は先に共有する

現在の体調、治療中の病気、通院、服薬、強く出ている症状は、担当者へ先に伝えてください。

エモーションフリーは医療行為ではありません。薬をやめたり量を変えたりする判断は、医師へ相談せずに行わないでください。

眠れない・食べられない状態が続く、自分や他人を傷つけるおそれがある、現に暴力や支配のある環境にいる場合は、セッションだけで何とかしようとせず、医療機関や公的な相談窓口など、必要な支援を優先します。

オンラインで受ける場合の準備

オンラインでは、ひとりで落ち着いて話せる場所を確保します。イヤホンの接続、通信、カメラとマイクは開始前に一度確認してください。

運転中や移動中は避けます。終わった直後に大事な会議や長距離移動を入れず、少し落ち着ける時間を取っておくと状態を確認しやすくなります。

飲み物と、短いメモを取れるものがあれば十分です。

効果を出そうと頑張らなくていい

「素直な人ほど変わる」「疑うと効果が出ない」と思って、無理に信じようとする必要はありません。

セッションで見るのは、同じ場面を思い浮かべたときの反応がどう変わったかです。変われば変わったと伝える。変わらなければ、変わらないと伝える。

ここで気を遣って「少し良くなった気がします」と言うと、見立ての修正ができません。セラピストは反応を手がかりに仮説とフレーズを調整します。正直な答えが一番役に立ちます。

終了後は、無理に試さない

セッション直後に、わざと嫌な相手へ連絡したり、強い場面へ飛び込んだりして試す必要はありません。

日常へ戻ったとき、同じ出来事への反応を見ます。前より考える時間が短い。返事を急がなくなった。場面は思い出せるが、胸の詰まりが弱い。逆に、新しい反応に気づくこともあります。

気づいたことを短く残しておくと、次に扱う範囲を決めやすくなります。ただし、変化を探そうとして一日中自分を監視する必要はありません。

当日に持っていくのは「最近の一場面」

準備をまとめます。

  • 最近困った一場面をひとつ選ぶ
  • 事実、考え、反応、本当はどうしたかったかを4行で書く
  • つらさを0から10で仮に表す
  • 話したくないことは先に伝える
  • 体調、通院、服薬を共有する
  • オンラインでは落ち着ける場所と終了後の時間を確保する

うまく話すことが目的ではありません。セッションで必要なのは、模範解答ではなく、いま実際に起きている反応です。

当日の進み方は、エモーションフリーセッションの流れ|初回に何をするのかで確認できます。

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この記事を書いた人

一般社団法人行動変容協会代表理事。エモーションフリー他、各種セラピーの開発者。20年以上、メンタルの世界を見てきて、様々な症例に対応しています。

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